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品種:ゲイシャ


・品種:ゲイシャ

 パナマのエスメラルダ農園の「ゲイシャ(Geisha)」というコーヒーが近年注目を集めています。読みが日本の「芸者」と同じであることから一度は耳にしたことのある方も多いと思います。

パナマ エスメラルダ スペシャル2016特級畑ハラミージョ・ゲイシャ (中煎) 200g

感想:3件



 この「ゲイシャ」とは、コーヒーの分類ではアラビカ種に属し、ティピカ、ブルボン、カトゥーラなどと並ぶコーヒー品種の一つです。樹高は一般的な品種の倍の4メートルほどにもなり、形はやや大きめで細長い形をしています。風味は、一般的なコーヒーとは比べものにならない突出した個性をもっており、その香りはまるで花のようで、すっきりとした柑橘系の甘酸っい味わいがあり、とても澄んだ口当たりをしています。ただ、栽培が難しく収穫量も少ないことから希少・高級品種となっており、なかでも、中米パナマ産エスメラルダ農園のハラミージョ地区で採れたコーヒー豆は、最も高価で100gあたり6,000円にもなります。

 このゲイシャの起源はエチオピア南西部のゲシャ(Gesha)村(地域)が原産で、1931年に発見されました。そののちケニア、タンザニアを経て1953年に中米コスタリカのCATIE(熱帯農業研究センター)へと渡ります。各国を渡り歩くなかで、いつしかゲイシャと呼ばれるようになっていました。

 パナマへは、1963年にドンパチ農園が「さび病※1」対策として導入したのが最初で、1975~80年には政府もゲイシャの苗木の無料で配布し、多くの農園に広まりました。しかし、栽培が難しいうえに収穫量の少ないゲイシャは、生産拡大が求められた時代には馴染まず、より耐病性の優れた品種が作りだされたことが決め手となり、カトゥーラやカトゥアイなどの他の品種へ植え替えがすすみ、ゲイシャの存在はいつしか忘れ去られていきました。

※1.さび病・・・Hemileia vastatrix(ヘミレイア・ヴァスタトリクス)というカビが引き起こす植物伝性病。コーヒーノキの感染する病気の中でももっとも恐れられている。空気感染し、胞子が風に飛ばされ、雨が降ることでコーヒーノキの葉に付着し感染する。感染したコーヒーノキは、葉の裏側に赤さびのような斑点ができ、次第に葉全体に広がり、葉が枯れる。葉が枯れ落ちた木は光合成ができなくなり、2~3年で枯れてしまう。

 しかし月日は流れ、2000年代に入ると、コーヒーのサードウエーブの潮流のなかで優れた風味をもつスペシャルティーコーヒーへの関心が高まり、各コーヒー生産国でも独自の品評会が行われるようになっいました。こうしたなかゲイシャが再び歴史の表舞台に登場する機会が訪れます。2004年にこれまで無名だったエスメラルダ農園が国際品評会である「ベスト・オブ・パナマ」に出品し、突如として1位に輝いたのです。

 その木はエスメラルダ農園の標高1,600mにあるハラミージョ地区の一角にひっそりと残されていました。そこは急斜面であったため、作業が困難で植え替えることができずにそのまま放置されていたようです。この木に実った果実から豆を取り出し焙煎したところ、良い風味であったため、試しに「Jaramillo Special (ハラミージョ・スペシャル)」という名で品評会へ出品し脚光を浴びることとなりました。

 オークションでの落札価格も2位との差を10倍以上もつけ、1ポンド(およそ0.453kg)当たり21ドルと当時としては史上最高値で落札されました。さらに快進撃は続き、2007年まで4年連続の1位を獲得し、2010年のオークションでは、1ポンド当たり170ドルという驚異的な落札価格を記録しました。そして、2008年からは「エスメラルダスペシャル」として、エスメラルダ農園単独のインターネット・オークションを開催するまでになりました。

 現在では他の農園もゲイシャを栽培するようになり、世界のコーヒー業者が注目するなか、ゲイシャ市場はますます活況を呈しています。また、最近ではパナマ以外の国でもゲイシャの栽培が行われ始めているようなので、近い将来私たちの手に届きやすコーヒーとなることを期待したいです。

ゲイシャのコーヒーレビューはこちらから
パナマ エスメラルダ農園/ゲイシャブレンド

パナマ エスメラルダ スペシャル2016特級畑ハラミージョ・ゲイシャ (中煎) 200g

感想:3件



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2017/02/19(日) | コーヒー雑学 | トラックバック(-) | コメント(0)

エチオピアのコーヒー儀式カリオモン

・カリオモン
 エチオピアには「カリオモン(Kariomon)」とよばれる伝統的な儀式があります。カリオモンの「カリ」はコーヒーノキの葉、「オモン」は「一緒に」を意味しています。

 英語では「コーヒーセレモニー」と呼ばれ、冠婚葬祭や日常の様々な場で友人や親せきなどの大切な人をもてなすときに行われます。また、主人が客の相手をしている間に妻がセレモニーの準備をするため、女性にとっては結婚前に見につけなければならない作法とされています。作業はホストが客の目の前ですべて行うことから日本の茶道にも似ています。

 セレモニーの手順は、生豆を洗浄した後、鉄製の円盤の上で豆を煎り、すり鉢で豆を細かくすりつぶしたのち陶製の壺の中で煮立たせます。お客はが待っている間は乳香が焚かれ、パンやポップコーン(ファンディシャ)などを食べながら主人とおしゃべりを楽しみます。抽出されコーヒーは取っ手のない小さなカップに注がれ、来客に対して合計で3杯のコーヒーが出されます。

 最初の1杯目は「アボル」と呼ばれ、まず感謝を込めて少量を大地に注がれた後に、器に注ぎ分けられて、砂糖などを入れて飲みます。2杯目は「トーナ」と呼ばれ、塩を入れます。3杯目の「バラカ」では、バターやカルダモン、クローブなどの香辛料を入れます。それぞれ大地や家族に感謝する気持ちが込められ、セレモニーをすべて終えるには2時間くらいかかります。

 このように、エチオピア人にとってコーヒーは単なる嗜好品ではなく、伝統的な儀式が日常生活に深く強いく根付いたひとつの文化ともいえます。

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エチオピアの産地情報

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2016/07/30(土) | コーヒー雑学 | トラックバック(-) | コメント(0)

コーヒーのエチオピア起源説

・コーヒーのエチオピア起源説
 コーヒーはエチオピアが起源とされる説があり、コーヒーにまつわる面白いエピソードがあります。
 
 6世紀のエチオピア高原で、ヤギ飼いのカルディ少年がヤギが赤い実を食べて興奮しているのを見て、修道院の僧侶に相談しました。僧侶が試しにこの実を煮て飲用したところ、眠気覚ましの効能がることが分かり、夜の修業でも眠気を感じずにすむようになったことからその噂が広がり、いつしか「眠らない修道院」と呼ばれるようになったという物語です。

 このエピソードはレバノンの言語学者ファウスト・ナイロニの「眠りを知らない修道院」(1671年)に記されているもので、年代からことの信憑性は低いと考えられますが、ヨーロッパで紹介されて以降は物語に様々な脚色が付け加えられていきました。

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2016/07/30(土) | コーヒー雑学 | トラックバック(-) | コメント(0)

コーヒー豆の精製方法/スマトラ式

コーヒー豆の精製方法/スマトラ式

 これまでコーヒーチェリーから豆を取り出す精製の中でも、⇒コーヒー豆の精製方法/乾燥式(ナチュラル)、⇒コーヒー豆の精製方法/水洗式(ウォッシュド)、⇒コーヒー豆の精製方法/半水洗式(パルプドナチュラル、ハニープロセス)を紹介してきました。

 今回は最後にスマトラ式を紹介したいと思います。そに前に、そもそも「精製」ってなに!?と思われた方は、⇒コーヒー豆の精製についてをご覧ください。

・スマトラ式
作業の大まか流れ
収穫→果肉除去→発酵→水洗→部分乾燥→集荷→脱穀→乾燥

 このスマトラ式はマンデリンの産地として有名なインドネシアのスマトラ島で行なわれている特殊な方法で、各生産農家が果実の発酵・水洗までを行い、それを業者が集荷(回収)し、まとめて脱穀し乾燥させます。他の精製方法がいずれもパーチメント※1や果実をを完全に乾燥させてから脱穀し、生豆を取り出していたのに対し、このスマトラ式では、水分を含んだ柔らかいパーチメントの状態で脱穀し、生豆を取り出した後に再び乾燥させることが最大の特徴です。

 コーヒーチェリーの果肉を機械(手動式)で除去し、パーチメントを発酵させ水洗いするまでの工程までは水洗式(ウォッシュド)と同じですが、水洗の後は天日でパーチメントの水分含有量が40~50%になるまで乾かします(完全には乾かさない)。その後、業者が各農園から集荷し、まとめて脱穀機にかけ生豆を取り出し、再び天日で水分含有量をさらに11~13%程度になるまで乾燥させます。

 乾燥に要する期間は、ウォッシュド精製では1〜2週間必要ですが、このスマトラ式ではわずか3日程度で済みます。また、精製工程の中で欠点豆の選別ができないために、精製後の選別作業が重要となってきます。

※1パーチメント・・・内果皮とも呼ばれる種子を覆うやや硬いカラのこと。また、カラの付いた種子そのものを指す。

・スマトラ島の環境
 上述したようなスマトラ式特有の方法は、スマトラ島特有の気候や栽培環境が深く関係しています。

 スマトラ島では小規模な農家が多く、また、コーヒーチェリーも完熟したものしか摘み取らないため、一度に収穫する量は少なく、1シーズンに収穫と出荷作業を幾度も繰り返します(7~10日おきに5~6ヶ月の間、収穫と出荷が続けられる)。また、非常に雨が多い地域(スコール)であるため、収穫期間が長期に及ぶスマトラ島では天日で乾かす乾燥式(ナチュラル)精製は不向きです。一方、収穫されるたびに少量の生豆を水洗式(ウォッシュド)精製するにもコストの面で不向きといえます。

 このためスマトラ島では各農家でパーチメントをあらかじめ水分含有量が半分程度になるまで乾かし、それを業者が集荷して、まとめて脱殻と仕上げの乾燥を行う生産システムが出来上がったと考えられます。

・味の特徴
 スマトラ式で精製された生豆は、独特な青緑色をしており、穏やかな酸味と、独特な香りと余韻があり、コクが強いようです。

他の精製方法はこちらから
コーヒー豆の精製について
コーヒー豆の精製方法/水洗式(ウォッシュド)
コーヒー豆の精製方法/乾燥式(ナチュラル)
コーヒー豆の精製方法/半水洗式

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2015/10/31(土) | コーヒー雑学 | トラックバック(-) | コメント(0)

コーヒー豆の精製方法/半水洗式

コーヒー豆の精製方法/半水洗式

 これまでコーヒーチェリーから豆を取り出す精製の中でも、水洗式(ウォッシュド)(⇒コーヒー豆の精製方法/水洗式(ウォッシュド))と乾燥式(ナチュラル)(⇒コーヒー豆の精製方法/乾燥式(ナチュラル))について取り上げてきました。

 今回は二つの精製方法のメリットを組み合わせ「半水洗式(パルプドナチュラル/ハニープロセス)」を取り上げたいと思います。

そもそも「精製」ってなに!?と思われた方は、⇒コーヒー豆の精製についてをご覧ください。

・半水洗式(パルプドナチュラル/ハニープロセス)
作業の大まかな流れ
収穫→比重選別→果肉除去→乾燥→脱穀→生豆

 「半水洗式(パルプドナチュラル/ハニープロセス)」は乾燥式(ナチュラル)と水洗式(ウォッシュド)のメリットを取り入れた方式で、前半はウォッシュド、後半はナチュラル精製の方法が取り入れられています。

 前半の工程では、収穫した完熟コーヒーチェリーを水槽で比重選別したのち機械で果肉を除去し、「パーチメント(内果皮)」に覆われた種子を取りだします。取りだされたパーチメントは、この段階ではまだ「ミューシレージ」と呼ばれる粘液質に覆われていますが、後半ではこの状態で、発酵させることなく天日乾燥や機械乾燥をし、脱穀して生豆を取り出します。

・パルプドナチュラルからハニープロセスへ
 1980年代以降のブラジルで「パルプドナチュラル」精製が始まり、クリーンカップを嗜好するアメリカに合わせて、ミューシレージを完全に除去するように発展していきました。しかし、出来上がったコーヒーの味はどこか物足りない味となりました。その後、水の使用規制の厳しいコスタリカで、水をあまり必要としないパルプドナチュラルの技術を応用して、ミューシレージを意図的に残す「ハニープロセス」の開発につながり、中米諸国へと広がっていきました。

 ハニープロセスの工程は、パルプドナチュラルと同じですが、果肉を除去する際に「ミューシレージリムーバー」という機械を使い、果肉ごとミューシレージを除去していきます。この時、機械のスピードをコントロールすることによってミューシレージを除去する量を調節します。ミューシレージの除去率にって呼び方も細かく変わり、除去率が少ない(果肉を多く残す)方から「ブラックハニー」、「レッドハニー」、「イエローハニー」、「ホワイトハニー」、と分かれています。また残した果肉が多いほど甘いコーヒーになります。

 ミューシレージがついた状態のパーチメントの乾燥は難しく、乾燥時には糖分を含んだミューシレージが固まりカビが発生しやすくなったり、乾燥むらが出やすいため、頻繁にパーチメントをほぐしたり撹拌する必要があり、高い技術と経験が必要な作業です。
 
 このハニープロセスの名前の由来は、ミューシレージのことを中米(スペイン語圏)では「ミエル」と呼び、ミエルは英語で「ハニー(蜂蜜)」を意味するため、ミューシレージを残して乾燥させるところから「ハニーコーヒー」と呼ぶようになったそうです。

・メリット
 ウォッシュド精製のように工程の最初に比重選別を行うため、未熟なチェリーや異物を除去することができます。そして、発酵工程がないため、発酵の失敗による風味の劣化のリスクもなく、品質が安定するというメリットがあると同時に、その後の水洗いで出る大量の汚水もなくせるため環境への心配がありません。

・採用地域
 ブラジル、コスタリカなどの中米諸国で行われています。また、大がかりな設備や大量の水を必要としないため、小規模農園でも採用がしやすく、水資源の乏しい地域で採用されています。

・味の特徴
 ハニープロセスでは糖分を含んだミューシレージを残して乾燥させることで、その甘みが豆に浸透し、蜂蜜のような香りとまろやかな甘みのある豆になります。

他の精製方法はこちらから
コーヒー豆の精製について
コーヒー豆の精製方法/水洗式(ウォッシュド)
コーヒー豆の精製方法/乾燥式(ナチュラル)
コーヒー豆の精製方法/スマトラ式

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