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コーヒー豆の精製方法/乾燥式(ナチュラル)

コーヒー豆の精製方法/乾燥式(ナチュラル)

 今回はコーヒーチェリーから豆を取り出す精製方法の一つ「乾燥式(ナチュラル)」を取り上げたいと思います。そもそも「精製」ってなに!?と思われた方は、⇒コーヒー豆の精製についてをご覧いただくとよろしいかと思います。

・乾燥式(ナチュラル)
作業の大まかな流れ
収穫→乾燥(チェリーのまま)→脱穀→生豆

 ナチュラル精製は、収穫したコーヒーチェリーを、「天日で乾燥させて脱穀をし生豆を取り出す」、という最もシンプルな方法です。水洗式(ウォッシュド)の反対の意味で「非水洗式(アンウォッシュド)」と呼ばれることもあります。

 ウォッシュド精製のように大量の水を必要とせず、水が貴重な地域や、ブラジルのように収穫量が多く大量の水の確保が難しい地域に適しており、設備コストもかからないことから、小規模な農園でも行うことができます。

1.乾燥
 収穫したチェリーはそのまま「パティオ※1」と呼ばれる乾燥場や、「アフリカンベッド(詳細は後述)」と呼ばれる棚の上に広げて天日で乾燥させます。乾燥中もそのままにしておくとカビや腐敗によって風味や品質の低下を招くため、こまめにチェリーを撹拌し、むらなく日にあたるようにします。また、夕方は夜露にあたるのを防ぐため、チェリーを一箇所に集めビニルシートで覆います。

 このように手間をかけながらおよそ2週間(未熟な果実ほど期間は長い)ほどかけ、表面が干しブドウのように黒くカラカラ(水分量が12%程度)になるまで乾燥させます。

 この他、最近では大型の乾燥機で50℃で3日間程度乾燥させる「機械乾燥」も行われるようにもなってきています。

※1パティオ・・・スペイン語で「中庭」や「広場」を意味し、コンクリートやレンガでできています。チェリーを広げられるだけのある程度の広さが必要。

2.脱穀
 そして、乾燥が終わると脱穀機にかけ、外皮と果肉、パーチメント(内果皮)を取り除き生豆を取り出します。生豆の状態は、水洗式では青緑色をしているのに対して、このナチュラル精製では、乾燥の過程でチェリーの果汁の影響を受け褐色化し、やや黄色みをおびているのが特徴です。

 このようにナチュラル精製は、他の精製方法に比べても非常にシンプルな工程ですが、天日乾燥させるため天候の影響を受けやすく、収穫期に雨が降る地域には不向きです。また、乾燥の間に風で運ばれてくる小石やゴミなどの異物が混じりやすく、虫食いの被害を受けることもあり、どうしても欠点豆が多くなる傾向があります。

・採用国
 ナチュラル精製の主な採用国はブラジル、エチオピア、インドネシアです。また、主に缶コーヒーや加工品に使われるロブスタ種のコーヒーもほとんどがナチュラル精製されています。

・味の特徴
 ナチュラル精製されたコーヒーは、果肉の甘みが豆に移るともいわれており、酸味もまろやかで豊かな風味が特徴です。

・高品質の豆を精製するには
 大量生産されるコーヒー豆は、コーヒーの枝から、チェリーを葉ごとむしり取るため、未熟なチェリーも一緒に収穫されてしまい、商品全体の風味の劣化に繋がります。

 このため高品質の豆を生産するためには、人の手で完熟した実だけを選んで収穫したり、未成熟豆や異物などをハンドピック(手作業)で選別するなど、熟練の技を必要とします。また、最近ではアフリカンベッドによる乾燥を行ったり、大規模な農園ではコンピューターによる豆の自動選別や機械乾燥を行うなど最新式の技術や設備を導入するところも出てきています。

・アフリカンベッド
 「アフリカンベッド」とは英語では「サスペンデット パティオ」とも呼ばれ、木や金属製の骨組みにネットを張り(網戸を横にしたような状態)、その上にコーヒーチェリーを載せて乾燥させるというとてもシンプルな構造をしています。
 
 この乾燥方法は、網の下を風が通ることで、チェリーを地面に広げるパティオに比べて、通気性が格段に高く、均一に乾燥させることができます。パティオに比べて、地面の熱の影響を受けないぶん乾燥にかかる期間がかかり、チェリーを人の手で撹拌する技術と手間もかかりますが、高品質のコーヒー生豆ができるといわれています。

 発祥は文字通りアフリカで、もともとはコーヒーチェリーを乾かせるだけの広く平らな土地がないエチオピヤやケニアなどの山岳地帯で生まれたものですが、地理的な制約を受けず、設備コストの低さと、上質のコーヒーが生産できることから、現在では中南米をはじめ多くの地域に取り入れられています。

その他の精製方法はこちら
コーヒー豆の精製について
コーヒー豆の精製方法/水洗式(ウォッシュド)
コーヒー豆の精製方法/半水洗式
コーヒー豆の精製方法/スマトラ式

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2015/09/12(土) | コーヒー雑学 | トラックバック(-) | コメント(0)

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